拡大する障がい者雇用、満足度に直結する入社前コミュニケーションの課題とは? 画像 拡大する障がい者雇用、満足度に直結する入社前コミュニケーションの課題とは?

人材

 法改正で4月より障がい者雇用義務の基準が引き上げられるなど、障がい者雇用の推進が急速に進んでいる。そんななか、障がい者総合研究所が、障がい者を対象に就職・転職についてのアンケート調査を実施した。

 同研究所の過去のアンケートでは障がい者の就職の際、入社前に十分な情報が得られなかったと回答した人が過半数となっている。とりわけ仕事内容に関しては「企業側がどの程度仕事を任せられるか判断できない」といった事情から、入社後に決定するケースも多く、仕事のミスマッチの原因のひとつに挙げられている。

 これを受けて今回のアンケート調査では、「就職・転職の際にもっとも重視する情報」など、就職時の情報についての質問を設定。入社前の情報環境について調査している。調査機関は2015年3月25日から3月31日で、対象は20~60代の就業経験のある障がい者。有効回答数は684名。

 まず「就職・転職で企業を選ぶ際にもっとも重視する情報」については、「障がい者への理解・配慮」が25%でトップに。次いで「仕事内容」(18%)、「給与」(15%)が挙げられている。

 実際に必要とする情報が得られたかという点では、求人票の段階では計57%が「ほとんど得られなかった」「あまり得られなかった」と回答。面接の段階になると「しっかり得られた」「まあまあ得られた」が50%となり、拮抗する形になっているが、それでも半数は必要とする情報が得られない現状が浮き彫りになった。

 一方で、求職者が「自分の障がいに対して必要な配慮を企業側に伝えられたか」という質問では「しっかり伝えられた」「まあまあ伝えられた」と回答したのが計63%。企業側の情報提示への満足度と比べると高い数字だが、4割近くは伝えることが難しかったという結果となっている。

 こうした情報提示を通じたコミュニケーションは、入社後の満足度に直結しており、入社前に必要な情報をしっかり得られたと回答しているユーザーの85%が入社後、会社に対して「とても満足している」「まあまあ満足している」と回答しているのに対し、「ほとんど得られなかった」ユーザーは75%が何らかの不満を抱えているという結果になっている。

 障がい者雇用が拡大するなか、企業・休職者ともに相互に理解を深め、必要なコミュニケーションを行うことが重要になっているといえるだろう。

 なお、実際に入社してみた結果として、「入社前にもっとも知りたかった情報は何か」という質問では「仕事内容」という回答が34%でダントツのトップ。入社後のアンケートで配属が決まったり、曖昧な説明の結果、入社後決まった仕事がないといった回答も見られた。2位は「社風・職場の雰囲気」(17%)で、3位は「障がいへの理解・配慮」(16%)が続いている。面接などの際、こうした点を特に重視してコミュニケーションを取ることが改善策のひとつとなるかもしれない。
《こばやしあきら》

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