【解決!社長の悩み相談センター】第4回:借金をするときに利子以外に注意する点はなに? 画像 【解決!社長の悩み相談センター】第4回:借金をするときに利子以外に注意する点はなに?

制度・ビジネスチャンス

今回の回答者:高橋昌也 税理士・AFP(フィナンシャルプランナー)

質問:
 1,000万円の設備投資をするに当たり、全額借金をすることにしました。返済にあたって、適用利率以外に何か気にしなければならないことはありますか?(製造業)

回答:
 借金をするとき、多くの社長さんが返済利率や保証料の有無について気にされます。もちろんそれも大切なのですが、中小零細企業にとってはそれ以上に大切なことがあります。

 それは返済期間です。何年間で借金を返すのか? この期間によって資金繰りの難易度は大きく変わります。例えば質問にあった1,000万円の設備投資について考えてみましょう。いまは利息については横においておきます。仮に返済を2年間で済ませるのだとすれば、1年間で500万円ずつを返すことになります。

 ということは、上記設備投資の成果として1年間当たり500万円の資金繰り改善(収入が増えるか支出が減るか)が達成できなければ、手元のお金は減少していくことになります。

 ところで、設備投資というのは行ってそんなすぐに成果が出るものでしょうか? 多くの場合、投資の成果が出るまでには短くて数か月、長ければ数年という時間をかけなければ結果を出すことができません。

 返済期間を2年間という短いものに設定した場合、それだけ早くに成果を出さないと資金繰りが苦しくなるよ! ということを意味します。

 では、返済期間を5年間にしたらどうでしょう?1年間で200万円ずつ返していくことになります。先ほどの2年間に比べると、返済額は随分と少ないです。つまり投資の成果を出すまでの期間が少し緩やかになるということです。だからといって「のんべんだらり」と過ごして良いというわけではありませんが、期間が緩やかになることである程度腰を据えて事業に取り組むことができます。

 もちろん、返済期間が長いということはそれだけ支払利息の総額が増えるということです。利息を支払うのは無駄だから返済期間はあまり長くしたくない、という社長さんの心情は理解できます。しかし、無理に短い期間で返済をしようとすると事業展開について焦らなければならなくなってしまうのです。

 ここで改めて利息というものの性格を考えてみましょう。利息はお金を借りることに対する費用です。本来であればこんなものは払いたくないというのは全ての社長さんにとって共通の思いでしょう。

 しかし、この費用をあまりにも嫌いすぎると事業展開が大きく制限されてしまいます。借金を一切活用しないで事業をしようとすると、自分で頑張ってお金を貯められるまで新しい投資は何もできないことになります。日常的な事業をこなしながらお金を貯めていくことは本当に大変です。だからこそ借金という選択肢が活用されるわけです。

 現在、日本国内では歴史的な低金利が適用され続けています。負担感がないといえば嘘ですが、概ね「安い費用でお金を借りることができる状態」だと言えます。せっかく安い費用でお金を借りられるのに

・借金が嫌だからといって絶対に活用しない
・お金を借りているのは嫌だからともかくドンドン返していく

と頑なになるのは、もったいないのではないでしょうか?

 もちろん、借金はできるだけする方が良い!!と言いたいのではありません。借りたお金はいずれ返さなければならないのですから、手元のお金に余裕があるのであれば無理をして借りる必要もないし、既存の借金について繰り上げ返済を検討しても良いでしょう。大切なのはバランスです。

 借金は上手に扱うことができればとても有効な道具です。意識として

・なんのための借金で
・どれくらいの期間で成果を出せばよいのか?

 ということを意識すると、間違いが少なくなります。


<回答者のプロフィール>
高橋昌也:税理士・AFP。神奈川県川崎市に事務所を構える。
中小零細法人や個人事業主に関する仕事に特化。 顧客との定期的な面談等を通じて、税務、経理その他経営上の課題について話し合うことをモットーとしている。 趣味はアカペラ、立廻剣術ほか。地域の非営利活動にも従事。

<悩み・相談募集>
「解決! 社長の悩み相談センター」では、全国の中小企業の経営者、小規模事業者の悩み・相談ごとを募集しております。HANJO HANJOに悩み事を相談したい社長さんは、以下から、件名に「悩み相談」と記してメッセージをお送りください。
http://hanjohanjo.jp/about/contact.html
《高橋昌也》

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