国産OSの灯は消えない――TOPPERSプロジェクト 画像 国産OSの灯は消えない――TOPPERSプロジェクト

IT業務効率

 μITRONというOSをご存じだろうか。一時は携帯電話のOSとしてかなりのシェアを誇った国産のリアルタイムOS(RTOS)だ。このμITRONの流れを汲んでいるOSのひとつに、TOPPERSプロジェクトがオープンソースとして開発、公開しているTOPPERSカーネルがある。

 13日より東京ビッグサイトで開催されている「組込みシステム開発技術展(ESEC)」にTOPPERSプロジェクトがブースを出していた。ブースに同プロジェクトのリーダーである名古屋大学 高田広章教授が、ちょうどセミナー講演を終えてやってきていた。取材に応じてくれ、国産OSとしてのTOPPERSと今後の展開などについて話を聞くことができた。

 「携帯電話の分野では、残念ながらグローバル化に対応できず、μITRONはほとんどなくなってしまいましたが、自動車のECUなど車載コンピュータの分野では、AUTOSARというグローバルスタンダードに準拠することで生き残っています。(高田教授)」

 このように語る高田教授の前では、TOPPERSカーネルを実装し、AUTOSAR準拠の車載ソフトウェアを開発するための入門キットが動いていた。入門キットは、車の操作系(ハンドル、アクセル、ブレーキ、シフトレバーなど)やボディ系(ヘッドライト、ウィンカー他)の制御プログラムをラジコンカーをモデルとして開発、実装実験ができる評価ボードやSDKなどがセットになっている。

 AUTOSARとは、欧米の自動車メーカーや大手サプライヤーが中心となってまとめている、車載制御ソフトウェアの共通プラットフォームだ。自動車に搭載される多数の制御コンピュータとそのソフトウェアには、グローバルスタンダードとなっているAUTOSARに準拠したものが多い。

 ECUを開発する企業側は、利用するリアルタイムOSが国産かどうかはあまり関係ないかもしれないが、TOPPERSカーネルはオープンソースであるためOS部分のライセンスが入手しやすいといった特徴がある。中小の製造メーカーはライセンスコストの面からTOPPERSを利用することもある。また、TOPPERSプロジェクトやコミュニティが関連のセミナーを開催したり、技術情報などを提供してくれるため、オープンソースでありながら一定の技術サポートも期待できる。

 なお、AUTOSARでは、自動運転に対応すべく新しいバージョンのAUTOSARの策定を考えているといわれている。高田教授は「現行のAUTOSARへの対応も重要ですが、自動運転なども視野に入れた新しいAUTOSARへの対応も考えていきたい」と語ってくれた。
《HANJO HANJO編集部》

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