なぜ、日本の〇〇街道は成功しないのか?
■ 成功例に学ぶ、ブランド化できない広域観光周遊ルートの処方箋
さて、しかし日本の「〇〇街道」に象徴される広域連携の形成とブランド化はことごとく上手くいかないのでしょうか。今回はその処方箋を国内でも数少ない成功例に学んでみましょう。
「北海道ガーデン街道」は十勝、富良野、旭川、大雪に連なる8つのガーデンを結ぶ全長250kmの観光ルートです。2009年それまで個々に活動していた7つの民間有料ガーデンが広域に連携、協議会を設立すると参加施設の入園者数は3年で54%増加。初年度は1社だった団体ツアーの取り扱いも2年目以降は大手旅行代理店がこぞって参入。観光旅行の情報誌の「るるぶ」が新たに北海道ガーデン街道版を刊行する等、一気に注目を集め、人気観光地の仲間入りをしました。
北海道ガーデン街道はすでに国内での地位を確立、現在は海外市場への取り込みに力を入れています。
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